エンジニアで年収が割に合わないと思うなら「独立」すべき【転職は微妙】

今より年収を上げたいけど、転職と独立で迷っている。
実際どっちを選べばいいんだろう…。

正社員のエンジニアとして働いていて「年収をもっと上げたいなぁ」と思うことってありますよね。

私も同じことを正社員時代にずっと考えていて色々調べた結果、最終的に独立の道を選びました。

なぜ独立を選んだかというと、調べていくうちに転職より独立した方が長期的なメリットが多かったから。

もし過去の自分から「収入を上げるなら、転職と独立どちらを選ぶべきか?」と聞かれたら、間違いなく今も「独立」一択だと答えるでしょう。

今回は、そんな昔の私と同じように転職と独立で悩んでいる方向けに「年収を上げる上で、なぜ独立の方が良いのか?」について徹底解説します。

記事を最後まで読めば「ボンヤリと独立もアリ」ではなく「こういう理由で独立の方が良い!」という確信に変わるはずです。

エンジニアで年収が割に合わないと思うなら「独立」すべき

なぜ年収を上げる上で転職より「独立」を選ぶべきなのか?

それは、独立の方が年収が上がる確率が高いからです。

独立の話をする前に、まずは転職した場合に年収が上がるパターンを見てみましょう。

転職して大幅に年収が上がる3パターン

正社員として転職し、大幅に年収が上がるパターンは3つあります。

①給与が高いメガベンチャーor大企業、または外資系企業に行く
②有望なスタートアップでストックオプションを貰う
③年功序列で大幅に給与が上がる企業に行く

まず①と②は実現確率は低いです。

①の前提として、メガベンチャーや大企業であっても給与が高い企業は限られます。そういった企業は有名であるため人気で、採用基準も高く、その応募競争を勝ち抜かなければなりません。

また、②に関しては「年収じゃないだろ!」と言われそうですが、トータルで収入を上げる要素にはなるのであえて挙げました。ストックオプションとは「決められた金額で入社した企業の株を買える権利」のことです。

例えば1株100円で10,000株まで購入できる権利をあなたが割り当てられたとします。入社した企業が上場し1株3,000円の価値まで値上がりしたところで、あなたはストックオプションの権利を使いました。

すると、1株100円が3,000円まで値上がりしたので30倍の利益を手にし、あなたは「100円×10,000株 = 1,000,000円」を支払い「3,000万円」の利益を手にする事になります。

このように聞くと魅力的に思えますが、ストックオプションに頼るのは「ほぼ運頼り」です。
そもそも入社した企業が上場しない限りストックオプションは使えません。また、運よく上場できても株価がどれだけ上がるかは誰も分かりません。

さらに言えば、ストックオプションでの値上がりを期待する場合、入社を目指すスタートアップがどれだけ成長するかを見抜く必要があります(つまり1社の個別銘柄へ集中投資するのと同じ)。そこをクリアしない限り「ストックオプションで儲かる」という前提条件は崩れます。

結論、②のストックオプションで収入を上げるのも極めて難しいです。

残りの「③年功序列で大幅に給与が上がる企業に行く」ですが、①と②に比べたら確率は高いかもしれませんが圧倒的に時間がかかります。

今あなたが20〜30代という年齢であれば40代、50代と年功序列で給料が上がりやすい年齢までいくのに一体何年待たなければいけないのでしょうか?

その時に年功序列の制度は確実に残っているといえるのでしょうか?

年功序列で給与を上げる選択とは「あなたの多くの貴重な時間・労力を保証があいまいな制度に全て賭ける」ということ。仮に年功序列制度が残っていても、今と同じ水準で収入が上がるかは約束されていないのです。

ここまで見てきたように、世の中で当たり前のように言われている転職ですが、実は「年収を大幅に上げる」という目的には適していないのです。

独立すれば高確率で転職より大幅に年収を上げられる

例えば、大手転職サイトDODAのITエンジニアの平均年収データを見てみましょう。

出典:DODA「ITエンジニアの平均年収はいくら?給料アップを目指す方法や転職事例も解説」

次に、フリーランスエンジニアの年齢別の年収は下記のとおりです。

出典:SE HACK「フリーランスエンジニア100人に聞いた年収調査【相場グラフつき】」

フリーランスになると20代ですでに50代の正社員の年収を貰っていることが分かります。また注目すべきなのは、その年収は最高年収ではなく「平均年収」ということ。

それは同時に「正社員の50代の年収以上の額を20代で手にする人も多くいること」を意味します。

なぜ正社員とフリーランスで年収に差がつくのかというと、企業から見たら人件費が固定費ではなく変動費に変わり、かつすぐに即戦力を手に入れられるからです。

フリーランスは正規雇用ではなく、契約期間内で働くことが前提となります。これにより企業側では予算内でコストを人件費のコストを調整しやすく、その分高い報酬額を支払っても割に合うのです。

一方正社員の場合、正規雇用として毎月決められた給与が支払われます。これは雇われる側にとってはメリットですが、企業側は毎月定額の給与を支払うため固定費という名目のコストとなります。

決められた給与を支払う代わりに、将来どうなるかは分からないから基本給は安く設定する」という企業が多いのも、正社員が固定費という人件費で見られているからです。

細かい違いはもちろんありますが、これが正社員とフリーランスの収入が異なるカラクリです。

転職を繰り返して年収を上げるより独立の方が良い

ネットや本などで「転職を繰り返して年収を上げる戦略」を目にしたことがあるかもしれません。

確かに年収を上げる目的であれば、1つの戦略としては有効でしょう。

ただ、この戦略には1つデメリットがあり、それは職務経歴書に傷がつく可能性が高いということです。

正社員で雇用する場合、教育を始め企業側は高いコストを最初に支払います。そのコストに見合った成果を長く出し続けてもらうために、できるだけ長期で働いて欲しいというのが企業の本音です。

その前提を考えた時、職務経歴書で1企業あたりの就業期間が短い人は採用した後のコストに見合わないと判断されやすいのです。

ゆえに正社員で転職を繰り返して年収を上げる戦略を選んだ時点で、1回の転職につき数年間は企業で働く必要が出てきます。これでは、収入以外の人間関係などで問題が起きた時も気軽に転職しづらく、意外とリスクがある戦略だと分かりますよね。

一方で、フリーランスとして独立した場合、色々な現場の経験数が多いほどむしろ重宝されます。(もちろん3ヶ月とか極端に短期間なケースは除きます)

これは、そもそも企業側に「フリーランスは長く働いてくれる」という前提が無く、即戦力を求めているからです。

このように転職か独立かによって、同じことをしても得られる評価はまるで違います。

つまり環境を変えるのも大事ですが「どんな肩書きで環境を変えるか?」はもっと大事ということです。

正社員でも給料は上がらない・生活は維持できない

ここまで見て「いや〜やっぱり正社員の方が給与は安定してるし…」と思う方もいるかもしれません。

もちろん、フリーランスと違って労働基準法で守られた正社員なら、企業が生活保証をしてくれるでしょう。

ただ、正社員で働くのは、これからはリスクでしかありません。

そもそも日本は過去20年間を振り返っても、先進国の中で平均年収は全く上がっていません。

出典:タマルWeb「日本人の平均収入、世界と比べると多い少ない?世界の平均年収ランキング!」

また年収が上がらない状態でインフレが起きた場合、物価だけが一方的に上がるため、現在の給料は実質目減りしていきます。

例えば、今年は3個100円で買えたミカンが来年は2個100円になったとします。すると1年間で100円の価値がミカン1個分減ったということになります。

つまりインフレが進むほど購入できる商品やサービスの量は減っていくということ。

なので年収が上がらない状態は、今と同じ生活水準を維持できないことを意味します。

正社員もいずれはフリーランスと同じ働き方になる

世の中の流れは今までの働き方と変わり、これからガラッと変わります。

その代表的なものが「メンバーシップ雇用からジョブ型雇用への移行」です。

両者の違いは下記。

メンバーシップ型雇用・・・人に仕事をつける
ジョブ型雇用・・・仕事に人をつける

ジョブ型雇用に移行すると、仕事に人をつけるため評価基準が今までよりさらに明確となります。

つまり、個人のスキルがより重視される成果評価型の社会に変わるということ。そして成果に応じた給与が支払われるため、良い意味では努力が報われやすい一方、条件を満たさない成果やスキルの場合明確にマイナス評価されてしまうということですね。

ところで、この成果評価型の働き方は「ある働き方」と似ていませんか?

そう、フリーランスです。

世の中は、最終的に完全成果主義の社会へ移行していきます。

たどる結果が同じなのであれば、年収を最速で上げられるフリーランスの道を選ぶ方が良い。

あなたもそう思いませんか?

副業するくらいなら最初から独立すればいい

正社員の場合、実は年収を上げる方法はもう1つあります。

それは「副業」です。

もしかしたら、あなたも副業をしているかもしれませんが、特にエンジニアの場合は副業ではなくキチンと独立した方が稼げる確率は高いです。

副業は大きく分けると2種類ある

そもそも副業といっても大きく分けて2種類あります。

①収入をすぐ得られるが収入額が少ないもの(ライティング、イラスト制作etc.)
②収入をすぐ得られないが収入額が多いもの(アフィリエイト、不動産投資etc.)

例えばエンジニアでよくあるのがタスクや期間を区切って副業するパターンです。これはフリーランスと働き方は似ていますが、あくまで副業である以上稼げる金額は独立して仕事を受けるより安くなりがちです。

つまり、2種類あるうちの「①収入をすぐ得られるが収入額が少ないもの」に該当します。

私も副業はいくつもやりましたが、結局「収入額or収入を得るタイミング」のどちらは必ず犠牲にしなければなりません。

ただし独立した場合は例外で、本業&副業の給料より多くの収入を比較的すぐ得られます。

ここで「独立したら仕事が見つからないのでは?」と思うかもしれませんが、実際そんなことはありません。通常は2週間もあれば案件は決まり、平均的な会社員の3〜4倍の報酬が働いた翌月に入ります。

» 【初心者向け】初めてフリーランスエンジニアになる時の「最初の仕事の探し方」

副業は「本業と違うスキルを身につけたい!」など始める理由は様々あると思います。その中で副業する理由が「収入を上げたい」というのであれば、いっそのこと独立した方が絶対にはやいです。

独立が「エンジニアの年収を最短最速で上げる方法」で一番の近道


世の中ではなぜか、正社員であることを前提に年収を上げる戦略などが語られています。

でも、あなたにとっての本当の目的は年収を上げること。

それなら、まずは「年収を上げる上で正社員で働くという前提が正しいのか?」を疑いましょう。

今回の重要なポイントは下記です。

  • 確率的に転職より独立の方が年収を大幅に上げやすい
  • 転職を繰り返して年収を上げる戦略は意外とリスクが大きい
  • 正社員もいずれはフリーランスと同じ働き方となる
  • 副業より独立で収入を上げる方が再現性がある

私は上記を考えて、最終的にフリーランスという独立の道を選びました。

改めてあなたに質問です。

あなたは年収を上げる上で転職と独立、どちらがはやく実現できると思いますか?

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