フリーランスエンジニアになる際、銀行口座は今使っている口座をそのまま使ってもいいの?
ネットでは、フリーランスとして独立する際の銀行口座について、
「1つの口座を使えば十分です!」
「複数の口座を作っておきましょう!」
と様々な意見の記事がたくさんあり「どっちやねん!」とツッコミたくなりますよね。
で、現役フリーランスエンジニアとしての私の意見としては「絶対に複数の口座を作っておくべき」です。
むしろ、複数の口座を作っておかないと後々面倒なことになります(詳しくは後述)。
ということで今回は、
- なぜフリーランスは3つの口座を持つ必要があるのか?
- フリーランスが複数口座を持つ上で気をつけるべき点
- 複数口座を持つ際に、おすすめの銀行
を経験談を交えて解説していきます。最後まで見て、独立時の口座開設での失敗を防ぎましょう。
なぜフリーランスエンジニアは銀行口座を3つ持つべきなのか?
冒頭で「口座は複数持つべき」とお伝えしましたが、具体的な口座数は3つです。
口座の各3種類の役割
- 生活費(個人用口座)
- 売上・経費(事業用口座)
- 税金支払い
上記のように3つの役割で口座を分けておくことで、お金の流れをキッチリ把握することができます。
逆に、これら3種類の名目のお金を1口座で管理することを想像してみてください。
毎月どの名目としてお金を使ったり、貯めておくべきか判断しなければなりません。(私はそんなことに毎回判断コストを使いたくないですね…。)
3種類の口座の役割は少し拡張してもいい
3種類の役割とはいえど、中には「それ以外の役割で使い分けたいお金があるんだけど…」という声もあるでしょう。
実際、私も3つの役割だけでなく、他の役割としても各口座を活用しています。
例えば、生活費の口座ですが「貯蓄」も兼ねてますし、税金用口座では自動的にiDeco(確定拠出年金)の支払いにも使っています。
ガチガチの口座運用ルールだと、かえって管理が面倒くさいことにもなるので、そこは好みにあわせて拡張して使うのが良いですね。
口座を複数持つ上での注意点
口座を複数持つ際には、ただ口座開設すればいいのではなく、気をつけるべきポイントがいくつかあります。
なるべくネット銀行を使う
ネット銀行のメリットは色々雑誌やネットで紹介されていますが、大きくは2つ挙げられます。
・手数料などが安い
・金利が高い
そもそも大手の銀行をメインで使うと謎に手数料が高かったりするため、お金のやりとりが増える独立後の利用では不向きです。
また、おまけのようなメリットですが、大手の銀行よりもネット銀行の方が金利が高いため「少しでもトクをしたい!」という人はネット銀行一択ですね。
ただ、ここまで言っておきながら、大手銀行の口座も最低1口座は持っておくべきです。
理由は「大手銀行の口座じゃないとできない支払いがある」ためです。
例えば、
・社会保険
・iDeco(個人型確定拠出年金)
・小規模企業共済
は、口座振替がネット銀行だとできません。
したがって、大手銀行の口座も1つ持っておくと安心です。
事業用口座の名義は屋号にこだわらなくていい
売上・経費を管理する事業用口座を開設する際、フリーランスとして独立する際に税務署へ提出する「開業届」に記載されている情報が必要となります。
※開業届に関して詳しくはフリーランスエンジニアとして開業届を出す際の書き方・提出の流れで解説しています
事業口座を作る際、屋号を記載すべきか迷うかもしれませんが、本名で開設しても問題ありません。
最終的には個人用と事業用の両方が自分の本名の名義で開設されている状態ですね。
複数の口座を”カンタン”に管理する方法
ここまで見て「複数の口座を使い分けるのって大変じゃないの?」と思うかもしれません。
確かに口座を分けているので、1つの口座より管理する手間は増えるように見えますよね。
でも、管理する手間は「ある方法」を使うことで簡単に解決できます。
A:銀行の定額自動振込機能を使う
その解決方法とは「銀行の定額自動振込機能」を使うことです。(銀行によっては定額自動送金など呼び方が違う場合もあります)
私は楽天銀行の事業用口座から「毎月おまかせ振込予約」を利用しており、毎月「生活費用口座」と「税金支払い用口座」に自動で一定額が振り込まれるようになっています。
これにより、わざわざ1つの口座から他の口座へお金を入金する手間がゼロとなるため、複数口座を管理する手間はほとんどありません。
定額自動振込機能は、特定の銀行で提供されているサービスではなく、どの銀行でも基本的に利用できるサービスなので、複数口座を管理する際は併せて使うようにしましょう。
フリーランスエンジニアは複数口座を持っていた方が長期的にラク
フリーランスは会社員と比べて、自分自身のお金の流れをしっかり管理する必要があります。
その際は、1つの口座だけを使うのではなく、複数の役割が異なる口座を持つようにしましょう。その際、大切なポイントは下記でした。
- 生活費、売上・経費、税金支払いの3種類の口座に分ける
- ネット銀行と大手銀行の口座を両方持っておく
- 事業用の口座から「生活費」「税金支払い」の口座に自動振込設定をすると管理がラク
複数の口座でお金を管理するクセをつけておくと、個人事業主から法人化する際もスムーズに資金管理できるようになります。
また、口座開設のついでに事業用のクレジットカードも作っておくと、より効率的にお金の管理ができるためオススメです。