- フリーランスとしての契約期間ってどれくらい?長いほどいいの?
- 長く契約を続けたい場合はどんな事を意識すべき?
- 他の案件へ移るべきタイミングっていつ?
会社員時代と違い、フリーランスエンジニアは契約を結んで仕事をします。
ただ、契約内容や期間はクライアントでバラバラなため「他のエンジニアはどうしてるの?」と気になりますよね。
そこで、今回は現役フリーランスエンジニアである私が、
- 平均的な契約期間
- 契約期間を延長してもらうコツ
- 次の案件に移るタイミングと注意点
- 契約切れに備えてすべき事
を徹底解説します。
この記事で、フリーランスエンジニアの契約に関する疑問を全て解決しましょう。
フリーランスエンジニアの平均契約期間は半年〜1年です
フリーランスとして案件に入る場合、最初の契約期間は大体1ヶ月。最終的に1案件で半年〜1年間契約するのが普通です。
※初回契約期間が1ヶ月と短いのは、企業はお試しで雇いたいから
周りのフリーランスも大体半年〜1年くらい
私の周りのフリーランスも「半年〜1年」で案件を変える場合がほとんど。
中には「1〜3ヶ月」で現場を移るフリーランスもいますが、それは下記のようなケース。
- 自分or企業が求めるスキルとマッチしなかった
- 1ヶ月など短期での募集案件
- プロジェクト終了など企業側都合によるもの
確かにフリーランスは短期間で多くの現場を経験できます。
ただ「1〜3ヶ月」は短すぎ。あまりに短すぎる契約期間が続くと「あ、この人契約切られたんだな」と思われ、書類選考・面接で不利となるので注意しましょう。
まずは、1案件につき半年以上の契約が目安だと思ってください。
フリーランスエンジニアは契約期間が長すぎるのも良くない
「逆に長く働くのはいいのか」と思うかもですが、その考えはオススメしません。
同じ企業で長く働くと「自分の市場価値に対する適正対価が受け取りにくくなるから」です。
例えば、フリーランスとして5年同じ企業で働くとしましょう。
5年も働いていれば、1年目と5年目の契約単価は大きく異なります。
ただ、大体は1年目の契約単価をベースに金額交渉が進むため、そこまで金額が大きく変わる事はありません。
一方、一定期間ごとに案件を変えるフリーランスは、その時々の自分が持つスキル・市場価値にあわせて、自分を高値で買う企業と契約できます。
「長く企業で働く場合」と「定期的に案件を変える場合」一体どちらが収入をはやく上げられるでしょうか?
もうお分かりですね。圧倒的に後者の「定期的に案件を変えるフリーランス」の方です。
フリーランスとして稼ぎ続ける上では、同じ場所に長く留まる事が”命取り”になる事も覚えておきましょう。
契約を継続してもらう2つのコツ
フリーランス初期の頃は「契約を継続してもらうのって難しいの?」と不安かもしれませんが、基本的な事さえ守れば大抵は継続してもらえます。
ポイントは下記。
- 確認と報連相を徹底する
- 自分から+αを提案する
確認と報連相を徹底する
「確認と報連相」は「仕事に必要なスキルTOP3」に入るくらい大事なこと。ぶっちゃけ1位といっても過言ではないです。
フリーランスエンジニアは、個人で完結せずにお客さんと仕事をする場面がほとんど。
チームで仕事を回す時、こちらから積極的にコミュニケーションをとらないと認識の違いが生まれ、やがて大きなミスに繋がります。
「〜だろう」と勝手に推測して作業するのはNG。キチンと納得するまで確認してから、タスクに着手することが「正確な成果物を生み出し続けるコツ」です。
私の場合、特に下記2つを意識しています。
- 大事な仕様の確認などは必ず文字で相手にも確認してもらう
- 作業の報告タイミングを自分で決めて、進捗がどうであろうと報告する
過去の案件で周りから頼られるフリーランスの方を数多く見てきましたが、もれなく全員が「確認・報連相」を徹底していました。契約継続のためにも、絶対に必要なことですね。
自分から+αを提案する
最低限のタスクをこなすことは大前提で重要です。でも、それだけでは他エンジニアとの差別化は図れません。
私たちフリーランスエンジニアは常に、選ばれる理由を作り続ける必要があります。
選ばれる理由とは「付加価値」のことで、こちらから相手に価値をアピールしない限り伝わりません。
では、どう付加価値を伝えるかというと「日々のタスクに+αの提案をつける」ことです。(提案内容はささいなことでもOK)
私の場合、あくまでも一例ですが、実装機能だけでなくユーザー目線に立って「この文言をこうした方が分かりやすくなると思いますが、どうでしょう?」という風に提案することもあります。
どれだけ小さな提案でも、繰り返していくことで「この人ちゃんと細かいところまで見てくれてる」と相手は感じます。その積み重ねが、やがて「あなただけの圧倒的な付加価値」となるのです。
フリーランスエンジニアが次の案件に移るべきタイミング
フリーランスエンジニアの契約期間は短すぎても、長すぎてもダメとお伝えしました。
では「次の案件に移るベストタイミングはいつか?」というと、下記4点を感じた時です。
- 単価が安い
- 業務内容がミスマッチ
- 成長の実感が感じられない
- 休みがとりにくい
単価が安い
フリーランスでは不思議な事に「同じ作業内容でも案件によって単価が数十万円と違うケース」がよくありますが、ここに気付いていない人が結構多いです。
同じ作業内容だったら、単価はより多く貰える方がいいですよね?
よく「ずっとお世話になっているから…」「現場で必要とされているから…」と低単価で仕事を受け続ける人がいますが、絶対にやめましょう。
安売りという自己犠牲の先に、本当の幸せはありません。
もし「自分の単価安いかも…」と思ったら、すぐに次の案件を探しましょう。
世の中には、あなたの価値をもっと高く感じてくれる企業が沢山あります。
» 【意外】フリーランスエンジニアの経験年数と単価相場は比例しない話
業務内容がミスマッチ
私が経験した話で「フロントエンドエンジニアとして入ったのにバックエンドのスキルも求められた…」という時がありました。もちろん、予め募集要項にも少し書いてあったので、当時はそこまで問題として認識してませんでした。
ただ、たまに募集要項に書いていない業務を任されるケースもあります。ここで「成長機会だから!」「これから関係値を深めていきたいし…」と、仕事を引き受ける手もあります。
ただ、メインスキルではない業務が増えてきたら、一度冷静になって考えた方がいいでしょう。
無理やり詳しくない領域の仕事まで引き受け続けると、次第に納期に間に合わなくなるなど、デメリットの方が大きくなります。
ミスマッチの業務で追加請求・単価交渉を考えるべきパターン
案件の中には「契約内容には書かれていない業務を振られたけど、自分はできるからやろう」という場合もあります。
ここで1度考えてみて欲しいのですが、あなたが身につけているそのスキルはタダではなく、貴重な時間・お金と引き換えに手に入れたものですよね?
契約内容に書いてない事まで引き受けるということは、今まで手にしたスキルをタダで渡しているのと一緒だという事を忘れないでください。
割に合わないと思うなら、その都度追加請求や単価交渉も視野に入れるようにしましょう。そこで断られたら、あなたが付き合うべきクライアントではないです。
成長の実感が感じられない
フリーランスとしてある程度働いていると、ふとした時に「成長できてないかも」という瞬間が訪れる事があります。そして、その直感はだいたい当たっています。
「毎日同じ事の繰り返しだ」と思ったら、間違いなく次のステップに進む時です。
【重要】目先ではなく長期で考えよう
フリーランス初期の頃は、正社員時代に比べて報酬が高いため、まるで「永遠にその報酬が手に入り続ける」と錯覚してしまうことがあります。
でも、実際は常に新しい技術や知識を取り入れて「進化」しなければ、今の報酬を維持するどころか半減してしまうリスクもあります。
ここで、肝に命じておくべきなのは、
フリーランスは「過去に得た知識・経験を切り売りしている」に過ぎない
ということ。
つまり、今身につけているスキルは、未来も価値があるとは限らないのです。報酬にこだわりつつも「今の案件で、長期的に自分の価値は上がるのか?」もセットで考えるようにしましょう。
休みがとりにくい
案件によっては、稼働率がかなり高いところもあります。
もちろん、たまに稼働率が上がるのは問題ないのですが、常時高い稼働率の場合は要注意。
私も経験があるのですが、稼働率が極端に高くなるとパフォーマンスがかなり落ちます。
健康にも良くないので、かりに高単価などの好条件だったとしても、休みが少ない案件は長期的にデメリットの方が大きいと考えておいた方がいいです。
» 【割と自由】フリーランスエンジニアの休み事情【投資としての休息法】
【注意】案件よりエージェントを変えるべき時もある
特に「単価が安くて案件を変える」場合、案件だけでなく「利用しているエージェント自体」を変えた方が良いケースもあります。手数料の高いエージェントだと、どの案件でも報酬が安いからです。
つまり「あなたの収入は付き合うエージェントで決まる」といっても過言ではありません。
それくらい、エージェント選びは大事です。
» 【必見】フリーランスエンジニアエージェント4つの比較ポイント|知らないと搾取確定
フリーランスエンジニアが「契約期間切れ」に備えてすべきこと
フリーランスは契約関係で結ばれる以上、契約が切れた時の事も考えておく必要があります。
契約が切れた時に備えてするべき事は主に3つです。
- 貯金
- 固定費削減
- 収入源の分散
貯金
なんといっても真っ先にすべきなのは貯金。
最低3ヶ月分の生活費は確保しておきましょう。(1ヶ月分を次の案件探し、2ヶ月分を報酬の入金までの生活費に充てることを想定)
半年分くらいあると、もっと安心ですね。
固定費削減
もしやってない人がいたら、今すぐやりましょう。
固定費削減は「お金をかけずに使えるお金を増やすチート技」です。
- スマホを格安SIMに切り替え
- 電力会社を安いところに切り替え
- 家賃が安い物件に引っ越し
などなど。特に家賃は固定費は大きく下げられる項目なので、一度見直す事をオススメします。
フリーランスの家賃に関する考え方は【警告】フリーランスエンジニアは家賃を安くしておけ!【固定費は悪】で詳しく解説しています。
収入源の分散
フリーランスエンジニアであれば、主に業務委託での開発が収入源になるでしょう。
しかし、クライアントワーク1本への依存は、リスク分散という観点ではオススメできません。仕事が無くなれば、収入ゼロだからです。
ちなみに収入には大きく2種類あります。
- フロー収入(業務委託など自分の労働の対価で得られる収入)
- ストック収入(株・事業など自分の労働力を支払わずに得られる収入)
大事なのは業務委託などのフロー収入ではなく「ストック収入を分散して持つ」こと。
フロー収入は増やしても自分が働かないと収入ゼロですが、ストック収入は自分が働かなくても収入が積み上がるからです。
フリーランスエンジニアとして作れるストック収入には、下記のようなものがあります。
- 個人でWebサービスを作る
- 動画講座を販売する
- ブログを書く
ストック収入があるかないかで、今後のフリーランス生活を送る上での安心度が格段に違います。是非今から1つでも作るようにしてください。
» 【やらなきゃ損】フリーランスエンジニアがすべき3つの投資【真の安定を手に入れよう】
フリーランスエンジニアは契約期間中に、次の一手をどんどん打つべし
フリーランスエンジニアの契約期間は大体半年〜1年が普通ですが、契約中は以下の事を意識してください。
- 仕事をする中で「確認・報連相」「+αの提案」をする
- 単価や成長実感などで違和感を感じたら次の案件を探す
- 契約が切れた時に備えて、貯金や収入源の分散をしておく
フリーランスは契約期間内であれば仕事がありますが、どの契約もいずれ終わりを迎えます。
契約切れに備えて、今から次の一手を打つようにしましょう。