会社員として今は残業がそこまで無いけど、フリーランスになったら激務になるのかな?
今の生活が維持できるか心配…。
独立後の生活を想像した時、収入が上がる分「忙しくなる」と思う人もいるようですね。
ただ、実際のところ現役でフリーランスをしている私は「残業がほとんど無く、会社員時代と同じような生活」を送っています。
今回は、実際の私のフリーランスとしての働き方を交えつつ「会社員と比べたフリーランスの残業事情・働き方の違い」についてお伝えします。是非、独立前の参考にしてみてください。
【暴露】フリーランスエンジニアの残業はどれくらい?【A:少ない】
冒頭でもお伝えしたとおり、フリーランスになってから残業はほとんどありません。
今あなたが会社員をしている場合も、独立後は下記2パターンのどちらかになるでしょう。
「残業なしのホワイトな働き方をしている場合」
↓
そのままの生活を維持
「残業が当たり前の環境にいる場合」
↓
むしろ自由時間が増える
では、なぜ独立したのに残業時間は少なくなるのでしょうか?
フリーランスエンジニアは基本的に「稼働時間での契約」
答えは基本的に「稼働時間での契約」だから。
契約する稼働時間の中では、月あたりの最低稼働時間・最高稼働時間を定めた「精算幅」というものがあります。
例えば、契約は下記のような形で結ばれるケースがほとんど。
例)月あたりの精算幅「140時間〜180時間」で月単価85万円の契約
この場合、月の稼働時間が140時間〜180時間の間であれば、月単価85万円の報酬がそのまま貰えます。 (もちろん稼働時間が下回った分は差し引かれ、上回った分は上乗せされます)
どの企業も大体「1ヶ月あたり20営業日、1日8時間の労働時間」なので、
20営業日×8時間/日=月160時間
上記のように計算すると、会社員と同様の労働時間で月報酬を貰える基準を満たします。
精算幅でフリーランスの労働時間基準が決まり、そこから大幅に労働時間を超える事は基本的にありません。これがフリーランスでも、激務ではない理由です。
» 客先常駐型フリーランスエンジニアの現実はきつい・辛いって本当?
精算幅の上限を超えて稼ごうとしてはいけない理由
ここで「精算幅の基準を超えてもお金が貰えるなら、あえて残業した方が稼げるのでは?」と思う人もいるかもしれません。
ただ、その考えは4つの理由からオススメしません。
・精算幅を上回った場合の上乗せ金額は通常の時間単価より少し安い
・仕事の生産性が落ちる
・残業しないと仕事が終わらない人だと思われる
・自分を安売りするクセがつく
精算幅を上回った場合の上乗せ金額は通常の時間単価より少し安い
契約している精算幅を上回った場合、超過した分の時間単価は支払われます。
ただ、上乗せされる単価(超過金額とも言われる)は、通常の精算幅内で働く時間単価よりも安い場合がほとんど。
精算幅から超過した時間分の単価の計算方法はいくつかありますが、主流は上下割です。
上下割とは、超過した時間を契約単価で割って単価を計算する方法です。
例えば、月あたりの精算幅「140時間〜180時間」で月単価85万円で契約した場合を考えてみましょう。通常の精算幅内で働くと、大体労働時間は160時間前後に収まるので、1時間あたりの単価は
月850,000円 ÷ 160時間 = 5,313円/時間
となります。
一方、上記の条件で精算幅の超過単価を上下割で出すと、
月850,000円 ÷ 180時間 = 4,722円/時間
となり、通常の精算幅内で働くより591円安くなります。
つまり精算幅を超過して働くのは、自分の時間を安く売ることになるため割に合わないのです。
仕事の生産性が落ちる
仕事を残業ありきで考える人によくありがちなのが、
仕事が営業時間内に終わらなくても、残業で取り返せばいい
と思っているパターンです。この思考の何がいけないかというと、時間あたりの成果を高める努力をしなくなるという事です。
そもそも生産性とは、
より少ない時間・労力で1%でも多くの成果を出す事
です。
つまり「残業ありきで仕事が終わる時間を見積もる考え方」自体が生産性を生み出す考え方と真逆だということです。
※ちなみに生産性が高い働き方を目指すなら「生産性」という本は絶対読んだ方が良いです
また、残業を重ねると睡眠時間の低下に伴ってパフォーマンスがどんどん落ち、結果的にトータルでこなせる仕事量も減ります。したがって、残業ありきで仕事をこなすのは一番効率が悪い働き方だと言えます。
残業しないと仕事が終わらない人だと思われる
あなたの周りでも、毎日残業している人いませんか?
そういった状態が続いていると、周りからは
・あの人、長時間働いているけど大丈夫かな…
・他の人は定時に帰っているけど、どうしたのかな…
と心配されますし、その状態が習慣化すると最悪の場合、
・あの人いつも残業しているけど、ひょっとして自分で仕事の管理ができてないんじゃないか?
とネガティブに見られる事もあります。フリーランスであれば、周りの評価などが契約の継続に直結します。常に自分が周りからどう評価されているかを客観視しておくクセをつけておきましょう。
自分を安売りするクセがつく
1つ目の理由でもお伝えしましたが、残業は一言で言えば「自分自身の安売り」です。
基本的にフリーランスとして独立した場合、絶対に安売りをするべきではありません。そもそも安売りは何も考えずにできるため、自分を高く売る努力をしなくなります。
ちなみに、私は前にホストやキャバ嬢などのYoutubeに一時期ハマって見ていた時期がありました。
夜の世界でも、売れている人に共通するのは「絶対に安売りせず、自分自身の価値を高める努力「だけ」していた点」です。
これは職種問わず、フリーランスエンジニアにも通ずる話です。
基本的に安売りして良いのは、資本を持つ大企業などの強者だけ。フリーランスのような個人レベルの事業主は、残業などせずに他のところで時間単価を上げる努力をすべきです。
» 【脱会社員脳】フリーランスエンジニアは起業している意識を持つべき
フリーランスエンジニアは徐々に労働時間を減らすべき
フリーランスは本質的に「過去の成功体験の切り売り」でしかありません。
また、未来のための投資時間がなければ、やがてフリーランスとして売るものが無くなり市場価値はどんどん落ちていきます。
だからこそ、今様々な知識や経験を積んで、未来自分を高く売るためにも、少しずつフリーランスとしての労働時間は減らすべきなのです。
フリーランスが労働時間を減らすにはどうすれば良い?
解決策はシンプルに3つです。
- ①精算幅が狭い案件に入る
- ②稼働日が少ない案件に入る(稼働が週2〜3の案件)
- ③収入源を分散する
まず、難易度としては①が一番カンタンです。
②と③に関しては、フリーランスとしての働き方に慣れてからでいいので、まずは①を達成することだけ考えれば良いです。
カンレン:フリーランスエンジニアが週2、3の案件を掛け持ちするまでのやり方
契約時の精算幅はどれくらいが良いのか?
140時間〜180時間の間であれば良いです。(というより多くの案件で140時間〜180時間の場合がほとんど)
理想は140時間〜160時間ですが、ここは交渉次第ですね。
中には精算幅の上限が200時間超えている案件を時々見かけますが、そういう案件を選ぶのはやめた方が良いです。ブラック案件ですので。
労働時間が異常に長いヤバめな案件は、キチンとしたフリーランスエージェントを選び、今回紹介した基準に沿って選べばほとんど防げます。なので、そこまで心配する必要はないです。
» 【必見】フリーランスエンジニアエージェント4つの比較ポイント|知らないと搾取確定
労働時間を減らしたら、浮いた時間は「未来の投資」にも使う
労働時間を減らした後は、メリハリをつけて休むのも大事です。
ただ、せっかく浮いた時間は「投資時間」としても活用すべき。
・今本業で使っていない技術を学ぶ
・開発業務以外で新しい事業を作る事に挑戦する
・読書で新たな知識を得る
独立後は、長期で物事や計画を立てつつ「今何をすべきだろう?」と自問自答する習慣が大事です。独立すると「今稼げていれば、それでいい」と思う人もいるかもしれませんが、その考えは甘いです。
稼ぎ続ける上では「常に長期で物事を考えて実行できる人」が一番最強だと覚えておきましょう。
フリーランスエンジニアの生活をさらに充実させるためのヒントまとめ
理想は毎年「労働時間が減って、収入が右肩上がり」の状態
独立後の残業に対する考え方としては、下記がポイントです。
- フリーランスエンジニアの残業は基本的には無い
- そもそも残業はしない方が良い
- 残業せずに浮いた時間は「投資時間」に使うべき
「【リアル】現役フリーランスエンジニア1日の仕事内容【割と楽しい】」でもお伝えしていますが、フリーランスエンジニアの業務や働き方は会社員とほぼ同じです。独立したから激務になるわけではありません。
とはいえ独立するなら、会社員と同じ働き方を続けるのではなく、もっと収入を上げつつ、自由な時間を増やしたいですよね。
そんな理想を1日でもはやく実現するためにも、毎年残業を含めた労働時間を着実に減らし、収入が右肩上がりの状態を作っていくのが大事です。今からその意識を強く持ちましょう。
カンレン:フリーランスエンジニアで「売上UP+労働時間の削減」を同時に実現させる3つの方法