現役フリーランスエンジニアがぶった斬る!独立後の実態に関する嘘と真実

フリーランスエンジニアについてネットで調べて出てくる情報って本当…?
現役フリーランスの人に真実を教えて欲しい…。

フリーランスを目指す上で色々情報収集していると、様々なことが書かれていて混乱しますよね。

また、そういった情報をよーく見てみると、そもそもフリーランスエンジニアではない人(ただのライターetc.)が発信しているため、間違った情報が発信されているケースも多く見かけます。

残念ながら、フリーランスでもない人が憶測で書いた記事を見るのは無意味です。
あなたが本当に見るべき情報、それは「経験則に基づいて書かれた事実」のみ。

今回は現役フリーランスとして活動する私の実体験を交えて、ネットで当たり前のように書かれているフリーランスについての情報が本当か1つずつ検証していきます。

この記事を見終わる頃には、きっとフリーランスエンジニアに対する見方はガラッと大きく変わるはずです。

現役フリーランスエンジニアがぶった斬る!独立後の実態に関する嘘と真実

まず、ざっとフリーランスエンジニアに対してのよくある意見を挙げましょう。

・正社員よりフリーランスの方が不安定
・独立後は自分で仕事をとる必要がある
・フリーランスエンジニアは多数の資格を保有・高学歴でないとなれない
・フリーランスエンジニアになるためには5年、10年と下積み期間が必要
・フリーランスエンジニアだとクビを切られやすい
・フリーランスエンジニアになったら本業以外にやることが増える
・フリーランスエンジニアは生涯で働ける期間が短い
・フリーランスエンジニアになったら激務になる
・フリーランスエンジニアになったらスキルアップしづらい
・フリーランスエンジニアは向き・不向きがある
・フリーランスエンジニアの税金・保険料は高い
・地方や田舎に住んでいるとフリーランスエンジニアになるのは難しい

1つずつ見ていきます。

正社員よりフリーランスの方が不安定

これは半分事実で半分間違いです。

確かにフリーランスは一定期間の契約のもと働く非正規雇用となるため、長期雇用が前提の会社員と比べると不安定なのは事実。

しかし「じゃあフリーランスで生活を安定させる方法はないのか?」と言えば、もちろんあります。

  • 長期の案件を探す
  • 複数のエージェントを使い案件が途切れないようにする
  • 複数の収入源を構築する

私は案件をこなす中で、同じ現場で3年、5年と働くフリーランスを見た事が何回かあります。このように長期前提の案件に入ると、正社員の立場と変わらないフリーランスもいます。

また【ピンハネ防止】フリーランスエージェントは絶対に複数利用すべき理由でもお伝えしていますが、案件紹介のエージェントを複数使えば、仕事が途切れて無職になる期間はほとんどありません。

私は独立後にこうしたことに気付き、自分の中にあった「フリーランス=不安定」という方程式は完全に崩れ去りました。

» 【心配ナシ】フリーランスエンジニアは不安定?【A:むしろ安定してます】

独立後は自分で仕事をとる必要がある

多くの人はフリーランスの仕事のとり方について、下記を想像するかもしれません。

・周りの人の紹介
・企業にメール・電話して直接営業する
・SNS経由からの問い合わせ

しかしフリーランスになったからといって、わざわざ自分で仕事をとる必要は無いです。

フリーランスエージェントを使えば、仕事を紹介してもらえるからです。

そもそもフリーランスが仕事をとる過程は、下記のように転職の流れとほぼ一緒。(転職もエージェントに依頼して転職先を探しますよね)

フリーランスエージェントを使った案件獲得までの流れ

エージェントに案件紹介を依頼する→紹介企業と面談する→契約成立→仕事スタート

したがって「営業なんて自信がない…」という人が独立しても、問題なく仕事はとれます。

» 【初心者向け】初めてフリーランスエンジニアになる時の「最初の仕事の探し方」

フリーランスエンジニアは多数の資格を保有・高学歴でないとなれない

なぜか「フリーランスは選ばれた人だけがなれるんだ」と神格化されがちですが、実際フリーランスの人を見ると全員が高学歴だったり、色々な資格を保有しているわけではありません。

というより、実際に私がそう。

独立当初の私のスペック

・4大の文系卒(MARCH未満)
・所有資格ゼロ

じゃあ、それでフリーランスになる上で困った事があったか?というと別に「ない」です。

そもそもフリーランスとして評価される上で学歴や資格の有無は関係ありません。

大事なのは相手の希望に沿ってしっかり成果を出せるかどうか?

このポイントを満たせないなら、どれだけ高学歴で多くの資格を保有していても無意味です。

» 【真実】フリーランスエンジニアに学歴・資格は不要【大事なのは成果】

フリーランスエンジニアになるためには5年、10年と下積み期間が必要

フリーランスになる上で実務経験が大事なのは確かです。

しかし、フリーランスになるという目的のために5年、10年と下積みが必要かというと答えは「No」。

私もそうですが、フリーランスになる上では「1年ほどの実務経験」があればなれます。(フリーランスになる下積みの時点で多くの時間をかけるのはもったいないです)

実際にフリーランスエージェントのサイトで検索すれば分かりますが、1年ほどの実務経験であれば案件はいくらでも見つかります。また、5年未満で独立したフリーランスの人に私も結構出会いました。

ただ、ここで注意点としてお伝えしたいのは「実務経験の有無」は大事だということ。

未経験でもフリーランスになることは可能ですが「低単価など悪条件の案件に入らざるをえない」など不利な点が多く、正直オススメできません。

長い目で見たら、まずは正社員として1年ほど実務経験を積んで独立した方が単価も上がりやすく好条件の案件に出会える確率は高まります。未経験の人は焦って独立しないようにしましょう。

フリーランスエンジニアになるための基準を徹底解説

フリーランスエンジニアだとクビを切られやすい

フリーランスになったら、企業と稼働期間で契約するケースが多いです。

もちろん契約期間が更新されることもあれば、契約期間終了とともに契約解除される時もあります。

私はこれを知っていたので「すぐクビにされたらどうしよう…」と内心ドキドキして、最初の案件に入った覚えがあります笑

でも、実際のところはどうか?というと「よほどのことが無い限り契約更新されるケースがほとんど」です。なので過度に心配する必要はありません。(※ただし予算の関係など企業側の都合で契約解除になる時はまれにあります)

私が見てきた契約解除された人のケースは、

・タスクで任された実装が全く終わらず、毎回納期に間に合っていない
・勤怠があまりにも悪すぎた
・企業担当者と喧嘩した

みたいな「そんなことあるの!?」というものばかり笑

おそらく、今この記事を見ている人の中でそんな人はいないと思うので、そこは安心してください。

» 【甘くない】フリーランスエンジニアで独立して失敗する人の特徴10選

フリーランスエンジニアになったら本業以外にやることが増える

独立するんだから、正社員と違って色々手続きとか増えるんでしょ?」こう思う人もいるかもしれません。(私もそうでした)

ただ私が独立して思った結論は「そこまで増えない」ということ。

そもそもフリーランス特有の作業は年に1回ある「確定申告」くらいです。しかも、確定申告の作業も1日で大体終わりますからね。

また「請求書の発行の手続きとかは?」と思うかもですが、ここに関してはエージェントが自動的にやってくれることも多く、ほとんどやることはありません。

このようにトータルで見れば「本業の邪魔になるような面倒くさい作業は一切ない」ので、そこまでデメリットにはなりえないと言えるでしょう。

» 【税理士不要】フリーランスエンジニアが確定申告をラクにする2つのコツ

フリーランスエンジニアは生涯で働ける期間が短い

フリーランスは定年の概念がそもそもありません。

したがって、働こうと思えばいくらでも働けるというのが回答となりますが「いや、現実的に50代とか60代は厳しいのでは?」と思う人もいるでしょう。

でも、それは正社員も同じ。
(そもそも定年制度などが変われば自由に企業が解雇できる未来もありえますからね)

例えば、同じ企業でずっと勤め上げてきた正社員の50代と色々な企業で様々な案件をこなしてきたフリーランスの50代、どちらが市場価値が高いでしょうか?
間違いなく後者でしょう。

「正社員orフリーランス」として働く期間を考えるのではなく「どちらが市場価値が高くなるか?」という視点で見れば、働く期間の限界を考えるのは無意味だと分かるはずです。

» 【年齢の壁】フリーランスエンジニアの定年はある?→ないが40代以上は戦略が大事

フリーランスエンジニアになったら激務になる

フリーランスになって収入が上がるってことは、それだけ仕事も大変なんだろうなぁ…

これは私も思っていました。

しかし、フリーランスでやる仕事は正社員と変わりません。つまり「独立したその日から急激に仕事量が増える」なんて無いということ。

それもそのはず。フリーランスになって変わるのは契約内容のみで、基本的な業務は正社員と同じだからです。

よくよく考えれば、正社員とチームを組んで同じ業務に取り組むわけで、仕事量が正社員と全く違うなんてことはあり得ないですよね。(逆に正社員の仕事量の方が多いというケースは見てきましたが…)

なので特にブラック企業に勤めていた人で、逆にフリーランスになって労働環境も収入も大きく改善したという話はザラにあります。

フリーランスになった後の生活を詳しく知る

フリーランスエンジニアになったらスキルアップしづらい

フリーランスエンジニアは現場に入ったら即戦力として活躍することを求められます。

これは「自分の得意とする既知の技術」であることが前提となるため、逆に「自分が伸ばしたい未知の技術」を扱う案件には一見入りづらいように思えます。

しかし、そういった新しい技術を扱う案件に入る方法も探せばいくらでもあります。

  • あえて単価を安くして、案件に入らせてもらう
  • 自分でポートフォリオを作り、技術レベルを証明して案件に入る
  • 様々な技術を扱う案件にあえて入り、案件参画後に希望の技術を扱うプロジェクトへの参加を希望する

などなど。

あと、そもそもスキルアップは本業ありきで考えるのではなく、休日などを使ってすればいいだけの話ですよね。

» 【使えない】経験の浅いフリーランスエンジニアがスキル不足を防ぐ方法

フリーランスエンジニアは向き・不向きがある

当たり前のように「フリーランスエンジニアに向いている人・不向きな人」ということが色々なネット記事で書かれていますが、本当に向き・不向きってあるのでしょうか?

私はないと思います。

そもそもフリーランスエンジニアは正しい努力をすれば、誰でもなれます。

「じゃあなんでフリーランスをやめて、正社員に戻った人がいるの?」思うかもですが、彼らがやめた理由は向いていなかったのではなく「フリーランスになり続ける動機がなかった」から。

動機とは、言い換えれば「目的」のこと。

例えば、下記の場合どっちが英語の上達が速いと思いますか?

A:3ヶ月後の海外出張のために英語を学ぶ
B:なんとなくカッコいいから英語を学ぶ

答えは間違いなくA。なぜなら「3ヶ月後の海外出張のため」という明確な動機(目的)があるからです。

全ての物事に共通していますが、個人の能力など「向き・不向きだけで考える」のは可能性を閉ざし、思い込みを加速させる危険な考え方です。

私の知り合いのフリーランスで、人見知りを克服するためにバーテンダーの店員をやっている人がいます。彼に聞けば「人と話すのが苦手で色々仕事に支障が出ていたから」と言っていました。(彼は実際に一緒に働いていた時にチームメンバーとも上手くコミュニケーションをとっていました)

ここで「自分は話の苦手だから…」という理由(不向きだという理由)で何も行動しなければ、彼は永遠に変わらなかったはず。でも、彼には「仕事で必要だから」という確かな動機(目的)があったから行動し変われたのです。

このように考えた時、フリーランスの向き・不向きを知ることに意味はなく、大事なのは

「なぜあなたはフリーランスになるのか?」

という動機(目的)を明確にさせることでしょう。それが分かれば、目的達成のためにどんなに苦手で不向きだと思うことも克服しようと思うはずだからです。

フリーランスエンジニアの税金・保険料は高い

フリーランスになって支払う税金や保険料が高いのは確かです。

会社員時代と違って、一気に下記の支払いが降りかかるからですね。

・所得税
・住民税
・国民健康保険税
・国民年金保険料

ただし、これらも少し知識があれば数十万、数百万と支払う額を安くできます。

せっかく高収入を稼いでも、税金などで多く持っていかれたら意味ありません。「よく分からないから…」と放置して、後で「めっちゃ余計に税金・保険料払ってた…」と気付いても遅いので、最低限の税金周りの知識は前もって学んでおきましょう。

最低限の税金・保険料に関する知識は下記2冊で学べます。



またフリーランスから法人化すると税金が安くなりますが、法人化の手順については下記をご覧ください。
カンレン:【断言】フリーランスエンジニアはマイクロ法人化すべき理由|手順も解説

地方や田舎に住んでいるとフリーランスエンジニアになるのは難しい

フリーランスの案件を地域別で調べると、東京など主要都市に集中している場合が多いです。

ただ、その事実を目の前にして「やっぱり地方に住んでいるとダメなんだ…」と諦める必要はありません。フルリモートの案件を選べば良いからです。

実際に大手エージェントのレバテックフリーランスでフルリモート案件を検索すると下記のように多くヒットします。

出典:レバテック

私もここ数年はフルリモートの案件しかやっておらず、たまに帰省して働いたりもしています。

このように場所に制限されて案件の選択肢が狭まることは年々無くなりつつあり、今は地方や田舎に住む人もフリーランスになりやすい状況が揃っていると言えますね。

» フリーランスエンジニアは地方や田舎で活動できる?【可能だが注意点アリ】

フリーランスエンジニアの実態を知った後は行動あるのみ

今回、私の経験談をもとにフリーランスエンジニアの実態をお伝えしてきました。

最後まで記事を見ると分かるように、今まであなたが見てきたフリーランスエンジニアに対する声はほとんどが「思い込み」です。

その思い込みはあなたの独立の妨げになるので、今この瞬間から捨てましょう。

正しい認識からしか正しい行動は生まれません。

今あなたはフリーランスに対する正しい認識を持つことができました。

あとはフリーランスになる上で「正しい行動」をするだけです。

» 【これで安心】フリーランスエンジニアで独立時に必要な手続きを全てまとめました