フリーランスエンジニアになるには実務経験が大事って聞くけど、どれくらいあればいいのかな?
フリーランスという言葉を聞いた時「すごいベテランの人がなるんだろうなぁ…」と思いますよね。
でも、実際はフリーランスになる上で5年〜10年以上のいわゆるベテランクラスの実務経験は必要ありません。
この記事ではその理由を、現役フリーランスの私の実体験を交えてお伝えします。
記事を最後まで見れば、独立までの道筋がハッキリ見え、今から何をすべきか分かるようになります。
フリーランスエンジニアになる際「実務経験」を気にすべきでない理由
実務経験は数ある評価指標の1つに過ぎず、経験が多くなくてもフリーランスになれるからです。
そもそも実務経験の相場はあいまい
ネットや本などを見ても、独立に必要な経験年数が3年、5年などそれぞれ異なって記載されていますよね。
それはつまり「独立に必要な実務経験の絶対的な相場なんて無い」ということ。
結局のところ、どの情報を見ても3年とか5年とか「なんとなくこれくらいであれば大体の経験を積める年数だろう」と無難な年数を提示しているに過ぎません。
なので今あなたの中にある「独立に必要な実務経験年数の相場」も、自分の中で作られた勝手な思い込みです。
» 【意外】フリーランスエンジニアの経験年数と単価相場は比例しない話
大事なのは今の開発業務を1人称でこなせているかどうか
そもそも実務経験の前に大事なのは「通常の開発業務を問題なく行えるかどうか?」です。
実務経験が3年・5年でも、開発業務として求められているスキルやそもそも仕事の基礎スキル(報連相など)がなければ意味ないです。(実際に私も「技術力はあったのに、勤怠や報連相が全くできてなくて契約解除されたフリーランス」を見た事があります)
逆に言えば、1年でも正社員として普段の開発業務ができていれば、それで十分だということ。(具体的には1人称で開発でき、必要であればヘルプを出してサポートを貰えば問題解決できるレベル)
では、なぜそれで十分だと言えるか?
「フリーランスの業務内容は正社員と変わらないから」です。
※実際のフリーランスの業務に関しては「【リアル】現役フリーランスエンジニア1日の仕事内容【割と楽しい】」で詳しくお伝えしています
フリーランスだからといって、正社員と全く異なる特殊技能を求められることはまず無いです。ここを過度に心配する必要はありません。
» フリーランスエンジニアになれる技術力レベルとは【A:普通でOK】
実務経験1年以上なら普通に案件はある
私の場合は実務経験1年半くらいで独立しましたが、募集案件の要項に記載された実務経験年数を満たしていなかったのに、オファーをもらった時がありました。
その経験から、実務経験とは企業からしたら「マストではないがあると嬉しいな」くらいのものだと私は捉えています。
もちろん必須条件のところもありますが、実際は経験年数よりも業務に必要なスキルセットをそもそも持っているか、とかの方が大事。
まぁ、1年もあればプライベートの時間を犠牲にして必死に勉強すれば、開発業務に必要な事はひととおり身につきます。だから1年で案件がとれるのは普通にありえる話ですね。
» 【体験談】実務経験1年以上なら迷わずフリーランスエンジニアになるべき話
未経験(実務経験ゼロ)は賛否両論あるが、私はオススメしない
フリーランスの実務経験に関して「未経験でも大丈夫!」という記事も時々見かけます。
が、私はオススメしません。
確かに未経験での案件はゼロではないし、やり方次第でとる事は可能です。しかし最初は多くの人が使うフリーランスエージェントも未経験はまず相手にしてくれません。(エージェントを仮に利用できたとしても未経験は企業側の書類選考でほぼ落とされます)
つまり、未経験な状態は知り合いの紹介などに頼るなど自力での仕事獲得方法しかなく、かなり不利な状態からスタートせざるを得ないということです。また未経験の場合単価は低く、その点だけでもフリーランスとして独立するメリットが無いに等しいです。
ここまでで誤解しないで欲しいのが、
実務経験の「長さ」はそこまで重要ではないですが、
実務経験の「有無」はめちゃくちゃ重要
ということです。
ここはよく覚えておきましょう。
あなたがなりたいのは「ただのフリーランス」か「稼げるフリーランス」か?
「未経験の状態でも、フリーランスになりたい!」という人もいるかもしれませんが、フリーランスになる「だけ」ならカンタンです。(開業届を出せば堂々とフリーランスを名乗れます)
でも、あなたは「ただフリーランスになりたい」だけなのでしょうか?
それが本当の目的なのでしょうか?
違いますよね。
「フリーランスになって稼ぎたい!」
これが本音ですよね?
ただのフリーランスになるのが目的なら未経験でも良いです。でも「稼げるフリーランス」になりたいなら1年以上の経験を積んでから独立すべき。大丈夫、それでも遅くはありませんから。
他の記事でもお伝えしていますが、フリーランスは基本的に「過去の成功体験の切り売り」をするから稼げます。でも未経験ではそもそも経験がなく、提供できる価値がほぼありません。(単価が安いのも、それが理由)
それらの事実を踏まえ、「未経験でフリーランスになるべきか?」はもう一度冷静に考えましょう。
もはや実務経験3年以上は長すぎ
独立する上で未経験も問題ですが、一方で実務経験を積むためにわざわざ3年以上待つ必要も無いです。
例えば実務経験1年と3年であれば、2年の差があります。数字だけで見れば2年の差って大きいですよね。
じゃあ、それぞれの経験年数の人が「獲得できる案件の単価に大きな差がつくか?」と言われると、実は必ずしも大きな差はつかないというのが現実。(実際私よりもはるかに経験年数が高いフリーランスの人で私とほぼ変わらない報酬だったケースもあるくらいなので)
実際、2年独立を先送りして3年の実務経験を積んで得られるリターンはそこまで大きく無いです。
むしろ2年間上がるはずだった収入額を手放しているのと一緒なので、損しているとさえ言えます。
もちろん3年以上の実務経験は書類上よく映るでしょう。ただ「稼げるかどうか?」で考えた時、その要素はあってもなくても良い。(3年以上なくても面談通過しますし、1年半ほどの私でも通ったのでそこだけクリアすればいい)
つまり「稼ぐ上での必要条件と十分条件」を考えましょう、ということです。
あってないような実務経験の相場をむやみに信じすぎるのはよくありません。きちんと1年間で勉強しスキルをつければ、もう独立する条件は十分整っていると言えるでしょう。
» 【今でしょ!】20代こそフリーランスエンジニアになるべき理由【億を生む意思決定】
実務経験はフリーランスになってからでも積める
フリーランスになるデメリットで「フリーランスになったらスキルがつきにくい」と言われる事がありますが、そんな事はありません。
おそらく「スキルがつきにくい」と言われている背景には、本業で新しい技術に挑戦できないという事があると思います。
しかし、私自身毎回新しい案件で新しい技術をどんどん触る事はありますし、実際にスキルとして正社員時代よりも成長している実感があります。
また、仮にスキルが「本業でつきにくい」のであれば、別にプライベートの時間を使って新しい技術のキャッチアップを行えば良いだけ。
つまり、フリーランスだからキャッチアップできないというのは事実ではなく、結局「その人自身がスキルアップのために努力しているか?」で成長レベルは変わるという事です。
» 【使えない】経験の浅いフリーランスエンジニアがスキル不足を防ぐ方法
実務経験を理由に独立を先延ばすのはモッタイナイです
今回お伝えしたように、フリーランスエンジニアにおける実務経験の相場はそもそもありません。
フリーランスエンジニアとしての実務経験を考える上で重要なポイントは下記でした。
- 実務経験より大事なのは1人称で普段の開発業務をこなせているかどうか
- 実務経験は1年以上あれば十分
- 未経験や3年以上あえて経験を積むのは微妙
この機会に、今のあなた自身の状況と照らし合わせて「もう少し経験を積むべきか?それとも独立準備を始めるべきか?」を改めて考えてみましょう。